栃木県の温泉!

茶臼岳に登る

黒羽町
五峰の湯 栃木県那須郡黒羽町大字堀之内674 0287-59-7010 日帰温泉  
アルカリ性単純泉,30.6度 内1・露1・サウナ 10:00〜21:00(月曜・第1火曜休,冬期〜20:00) 500円(小学生300円,乳幼児無料)
 五峰の湯は,栃木県の最北端,福島県に接する黒羽町の「黒羽町総合交流ターミナルセンター(つまり,よくある総合運動公園)内にある町営日帰温泉施設だ。最近,温泉行ってないからなぁ・・・今日は日曜。寒い一日になりそうだ(実際,夜は雪が降るなんて予報。ブルル)。こんな日は温泉日より。あんまり綺麗な温泉施設って,みけねこの好みにはチョイと反するのだが,日帰りでちょっと出かけるには,五峰の湯って,距離的にもちょうど手頃だし。よし。試しに行ってみますか!

 平成10年4年にオープンした五峰の湯の建物は,実にもって綺麗千万。広い駐車場には車がいっぱい停まっている。それにしても,みんな福島ナンバーだぞ?
 さっそく中へ入ってみよう。フロントとお土産売り場。ふんふん。よくある感じ。でも,広くて実に綺麗だ。お風呂は階段を登って,二階らしい。ただ今の時刻,10時55分也。彼女と,11時45分か50分あたりでと約束して,男湯と女湯に分かれた。
 脱衣所も,広くて実に綺麗である。掃除が行き届いているようだ。公営の施設なのだが,ここまでキチンと行き届いているのは,私営の施設だってそうはないだろう。鍵付きロッカーも,オカネを取らないのが,実に好感がもてる。

 さっそく,服を脱いで,浴室へ。こりゃずいぶん広いや。洗い場もメチャクチャあり。ゾロリと男のケツが並んでおる。この風景は芸術的と言えようか。見事である・・・。髪が腰まである若者が,夢中で髪の毛を洗っていた。腰がぐっとクビレテいるし,一瞬,女性かと思って,ドッキリしてしまった。まさかね・・・かなりの人数が入っているようなのだが,さすがの広さで,混んでいるようには感じられないのだ。
 まずは,頭を洗っちゃおっと。いつも,ボクは最初に,洗い場で頭を洗ちゃうことにしているのだ。後で混んじゃって,待つようになったりするとイヤだし,最初にやるべきことをやっておいて,後は,のんびり温泉を楽しむだけですみますからね。せっかくなので,頭を二回もゴシゴシ洗っちゃった。何回洗ったって,シャンプー代はこれ以上はかかりらないし。しかし,髪の長い若者は,まだ夢中で洗っていた。

 露天風呂は,縁のところが木で出来ており,ツルッと滑ってアソコを打ってオカマにならないよう,「滑りやすいのでご注意」と注意書きが張ってある。湯船に入ってみると,うん。ツルツル感は十分にある。クンクンとニオイをかぐと,やはりカルキ臭が感じられた──まあ,仕方ない。こういう新しい日帰温泉施設だし。公営の施設は特に,最近では,どしどし塩素を投入する。新聞でたたかれて,町長の首まで危うくなっちゃうご時世だからだ。ただし,ここに関しては,(もちろん循環ではあるものの)このツルツル感ならば泉質は合格点なのだ。おそらく,かなりの源泉湧出量があるのだろうと思われる。
 五峰の湯の名前の由来は,ここから那須五峰が見渡せるからということなのだが,残念ながら今日は,曇り。全然見えなかった。
 ヒョウタン型の内湯は,露天に比べると,ツルツル感がやや少ないような気がした。その後,ゆっくりと内湯につかりながら,例の長髪の若者見物。しかし・・・よく洗っているのう。女性の大変さが,つくづく認識しちゃったよ・・・そして,11時半頃に,ようやく髪の毛を洗い終わって,力を使い尽くした若者は,脱衣所にフラフラと去っていった。結局,若者は,30分以上も髪の毛を洗っていたことになる。

 そして,外に出て,彼女と合流。女性が髪の毛を洗うことが如何に大変であるかをよく理解したと彼女に言ったところ,「普通,そんなに洗わないわよ」と言われてしまった。
 ここは,新しい日帰温泉施設としては,かなりハイレベルだと思われる。混浴とか怪しいコキタナイ温泉が好きな貴兄にはお勧め出来ないが,万人(特に,綺麗好きの女性)には安心して勧めたい温泉施設だ。

 帰りに,黒羽市から湯津上村を通って,小川町へ。ここにあった小さなラーメン屋『まるや』で,五目ラーメンとチャーハンを食べる。温泉帰りのこのひととき・・・これが幸せなんですよね〜(03.1.19)


馬頭町
南平台温泉観音湯 栃木県馬頭町小口1712 0287-92-1126 日帰温泉(宿泊可)  
アルカリ性単純泉,44度 内2・露天5・サウナ 10:00〜21:00(最終水曜休) 700円(平日850円,夜間370円,月曜休)
 金風呂「ラドンの湯」がある!あやしき道をグルグル登って行くと,旅館と温泉施設とでっかい駐車場が見えてくる。車も多いしはやっているよう。入り口のオミヤゲ売場もいくつもある広大な休憩室もビッグ。温泉も多く,3種類の温泉に入ることが出来る。塩っぽいのと熱いのだ!(ここらへんファジー。アルカリ,ラドン,塩だ)。男のロマンとはなんであろう。おそらく100人中100人が金風呂と答えるであろう。(まあ,1人くらいはセーラー服とかピンクの看護婦とか答える趣味の人もいるかも知れないが)金風呂はピカピカ光り,あやしい興奮を醸し出した。世の男性諸君。是非金風呂に入りたまえ。
 
馬頭温泉ゆりがねの湯 栃木県馬頭町小口1671-1 0287-92-3023 日帰温泉  

アルカリ性単純泉,48度 内・露天 10:00〜21:00(月曜休) 500円(夜間300円)
  観音湯からさらに奥に入ると町営のゆりがねの湯がある。昔ここで砂金がとれたことからつけられたものらしい。那珂川の流れが良いロケーションである。おすすめは一階食堂の手打蕎麦。温泉施設の食事は概して,いや,必ず高くてまずい。一般に温泉に入ると,非常におなかがすいて砂だろうがネズミだろうが食べたくなるのが普通である。通常ならネコもまたぐメシを,至上の思いでかっ食らうのが温泉客なのだ。ところが,ここは例外。いや,まことに至上の蕎麦である。(もっとも,食べたのが温泉につかった後なので,実は・・・の可能性も否定できない。)
 
馬頭町八溝温泉 栃木県馬頭町久那瀬1631 0287-92-3584 日帰温泉  

ナトリウム硫酸塩・塩化物泉 内2・露天2 10:00〜20:00 500円(1日1000円)
  実はここは,日帰温泉としてはお初に入った記念すべき温泉である。ここが良かったから,温泉好きになったのだ。木漏れ日の露天から眺め下ろす那珂川。すべての原点はここにある。今から思えば,中の上くらいかも知れぬ。しかし,これ以上何も書くことはできない。
 
いさみ館 栃木県馬頭町小口1616 0287-92-4126 旅館(日帰可)  

アルカリ性単純泉,49.5度 内・サウナ 10:00〜15:00 300円
 民芸風の建物のどこにも日帰入浴なんて書いていなかったが,思い切って入ってみた。うはっ!なかなか風情がある感じ。仲居サンが何人かきたので,日帰入浴について聞いてみると,なんと300円とのこと。ク〜格安。男湯には誰もいなかった。内湯の湯船は一つだが,なかなか味わいがある雰囲気。窓からの景色が実に広々と良い。壁に埋め込まれた水槽にはアユみたいなのが泳いでいる。湯船に入って,手足を伸ばす。特に足は思いっきり広げてみた。こんなコト,他にお客さんがいたら出来ないもんね。ウーン。幸せ。線質はスラッとしているが,なかなか冷めない感じだ。趣があってキレイで安いと三拍子そろっている。おすすめである。なお,女湯は相当狭いという極秘情報があるため,男湯は栗1コ,女湯は芋2コとして平均芋3コの評価とする。(00.2.27)
 
小口館下の湯 栃木県馬頭町小口386 0287-92-3184 旅館(日帰可)  

アルカリ性単純泉,26.6度 内2 10:00〜16:00 350円
 狭い道をちょっぴりクネクネ走って,民宿風の古くて小さな旅館についた。駐車場には,ナナというワンコがいて,ボク達をとても気に入った様子でシッポを振ってくれた。オソルオソル玄関から入って日帰入浴について聞く。この時って,一番ドキドキするんだよね。すると,宿のオバサンは「湯は二つありますので,お好きな方をどうぞ。お二人ごいっしょでもいいですよ。岩風呂(写真下)の方は中から鍵がかかります」と親切に言ってくれた。モチロン,「イヤ〜ン」なんて鼻を鳴らしていう彼女を説得して,いっしょに入ることとしたのである。グフフ。独身の皆さんには特にお試し願いたい。「いっしょに入ろうか」「私達まだ手も握ったことがないのよ」「ぐふふ・・・イヤらしい気持ちで言ってるんじゃないんだ。だたキミと純粋に温泉を楽しみたいだけなんだよ。見ないからさァ。触らないし(大ウソ)」とか言って。だから,旅館の日帰利用って,楽しいんだよね。泉質は,さすが馬頭のアルカリ性単純泉である。ヌルヌル感がたまらない。蛇口から出る湯も源泉のヌルヌルである。建物自体は,立派なものではないが,ボクはこういう雰囲気をとても大切に思うのだ。(00.4.2)
 
城の台荘 栃木県那須郡馬頭町小口1735 0287-92-4311 旅館(日帰可)

 

アルカリ性単純泉,35.2度 10:00〜15:00 500円
城の台荘玄関なのだ
 正月休み最後の日。楽しいコトってすぐ終わっちゃうものです。21世紀最初の新春初風呂に行こうと,車で2時間もかけて栃木県馬頭町に出かけることにした。実はお隣の小川町の秘湯?「まほろばの湯」(入浴料200円)を探すのが目的だったが,狭い道を走り回った挙げ句,お墓の先にやっとの思いで見つけたそこは,1月5日から営業と書いてあった。ガーン!バラックみたいな作りでなかなか良さそうなところだったのに...仕方がないので,近くのラーメン屋で五目そばと五目チャーハンを食べて,お風呂計画の練り直しである。烏山町まで来た道を戻って,知っているところに行くべきか,それとも新しいところを探すべきか。To be or not to be...よし。新しいところにしよう!
 かくして,馬頭町に向かったってワケなのです。馬頭町はすばらしいアルカリ性単純泉の宝庫で,小さな旅館(民宿)が点在し,500円弱ですばらしい泉質が楽しめるのだ。鄙びた馬頭温泉郷の狭い道をクルクル走って良さげな旅館を探す。これがまたいっぱいあるんですヨ。ここ,いいとこ〜。途中,町営「ゆりがねの湯」があったが,ここは正月休みでした。その先の小高い丘の上に「城の台荘」という旅館があったので,ここに入ってみることにした。駐車場に車を止めると,眼下に小口川(とタンボ)が見えてなかなかの景色である。いつも初めてのところって,緊張しちゃうんだ。ドキドキするなぁ・・・。タオルをぶらさけて,鬼瓦のような決死の形相になったボクタチは,玄関をガラガラを開けた。「たのもう〜!」
入口右の廊下をテケテケ歩く ここ脱衣所。脱いじゃおっと。ウフーン
この溢れる湯を見よ!じゅるる〜
 すると,玄関正面のコタツに座っていたお兄さんが「いらっしゃいませ〜」とノコノコやってきた。あれ?従業員さんだったのね。二人分の料金千円を払うと,右の廊下をトコトコ進む。手前の女湯は「小浴場」と書いてある。これって男女差別だよね。奥の男湯は,夜9時から朝5時まで混浴と書いてあった。おおっ!この旅館は男女同権をよく配慮しているゾ。それにしても,クソ〜。夜来りゃ良かったと(無理なことを)思いつつ脱衣所へ。シメシメ・・・誰もいないゾ。今のウチに写真をパシャパシャ撮らなくちゃ。日帰温泉施設だと,脱衣所だって普通100人くらい毛だらけでマルダシのむくつけき男どもがブラブラしてるからこんなこと不可能だが,昼間の旅館の日帰利用は,人がいないため写真が遠慮なく撮れるってもの。「温泉湯処情報!」の取材には実に大助かりである。
 浴室を覗いて,一瞬にして感動してしまった。湯船から多量の温泉があふれ出している・・・。これはまぎれもなく源泉100%の証拠。湯は,ごくわずかに黄色がかったツルツル粘っけがある本物。まさしく宝物である。彼女を連れてくと,「あーん。パンツがツルッと落ちちゃった〜」とかなるかも知れないので,是非連れていかれるといいであろう。最近,あちこちにポコポコ出来た日帰温泉施設の水で薄めたインチキ温泉などとは(同じアルカリ性単純泉としても)比べるべくもない。窓からの景色はあまりいいのもではないが,なんといってもこの泉質の優れたることよ!ひとり湯船につかってしばし感動していたが,オジサン達が3人入ってきたので,出ることにした。毛だらけでむくつけきオジサンといっしょにオシリなんか合わせていると,この感動が薄れてしまうってものだから。(01.1.3)

 小川町
まほろば露天乃湯 小川町小川1243-1 0287-96-3029 日帰温泉  
ナトリウム硫酸鉛・塩化物泉,56.2度 12:00〜19:00(月曜・第1火曜休) 200円,乳幼児無料,小中学生・70歳以上100円
右から見ても左からみてもバラックでしょ?
 久しぶりに温泉につかろうと相談したボクタチは,北西方面に進路をとって10時45分頃我が家を車で出発した。途中,道の駅に二カ所程寄る。今回のドライブは野菜を買い占める目的も含まれているのだ。昨日,スーパーでホウレンソウを一束買おうと思ったら,ビックリ価格の250円だったのである。最近お野菜が高くて家計を直撃しているので,困っちゃうよね。道の駅で見てみると,思ったとおりコッチの野菜は安いですのう。いいハクサイが大玉なんと130円ですもんね〜。結局ホウレンソウ一束100円と春菊一束100円を買う。
 そして12時半過ぎに目的地である町営の「まほろば露天乃湯」に到着。ここは,平成10年9月に開業した新しいところだが,近くの温泉施設が完成するまでの間,源泉がモッタイナイので,仮施設としてオープンしたものなのである。国道からちょっと入ったところにあるのだが,看板がないのでちと分かりづらい。まさか!っていうような狭い道を下ったところにその仮オープンのバラックはあるのだ。超広い駐車場というか空き地に車を止める。正面右側の料金所にオジイサンとオバアサンがいて,200円を払って,左側の一見トイレ風の建物に入るのだ。しかし,どう見てもトイレそのものじゃのう〜。
脱衣所。奥の扉の先が露天なのだ
 紳士用・・・いや,違った。男湯と書いた引き戸を開けると,そこは意外にもキチンとした脱衣所である。いつものようにサッと服を脱いで(ちなみにボクは服と下着を同時に脱いじゃうから早いのだ)浴場へ。そこは,回りを板塀と細竹で囲まれた露天となっており,30人は優に入れる広さで,パイプからガンガン源泉が出ている。ジイサマが7・8人いて,マルダシで湯船に座っているゾ。くそ〜。残念ながら写真はムリじゃ。せめて脱衣所だけ撮っておこっと。源泉掛け流しということで,やや黄色がかった色。かすかに硫黄臭を感じた。パイプのところにコップがあって,ジイサマがゴキュゴキュ源泉を飲んでオナラをしている。ウウッ!回りは塀で囲まれているものの,露天の広さ故にかなり開放的な感じだ。残念なのは洗い場が2カ所しかないこと。身体を洗うことは可能だが,ここは露天に入るダケでいいと考えるべきだろう。お値段がお値段だし。
 さて,外に出ると,彼女と情報交換だ。彼女によると,オバアチャン達がこんな話をしていたらしい。「4月から別んトコの温泉がオープンすっから,ここは閉鎖なんじゃ。70歳以上は100円じゃったから,毎日来れたが,今度からワシラは350円になるでの。毎日来れんのう。うっうううう」ちなみに,若い衆の料金は500円になるそうである。いつも思うのだが,女湯の方がいろんなタメになる情報が行き交っているが,男湯ではサッパリである。女湯ではそれ以外でも,若い嫁の考え方の違いの考察の話題に花が咲いていたそうであるが,男湯では,ジーサマがゲートボールをやって汗かいたと一言しゃべって,またオナラをしただけだった。評価としては,この200円という良心的な値段を勘案して栗一個とすることにした。それにしても,本施設が正式オープンしても,このバラック露天を続ければいいのにと残念に思わずにはいられなかった。(01.2.4)
再度,出かけたところによると,まだリニューアル施設は出来ていなかった。来年の4月かなぁ (01.10.8)

まほろばの湯 湯親館 栃木県那須郡小川町小川1065 0287-96-6100 日帰温泉  
ナトリウム・硫酸塩ー塩化物泉
56.2度
内,露天,サウナ 10:00〜21:00(月曜休) 500円(子供300円)(夜間17:00〜21:00=300円,小人200円)
 平成14年4月16日オープンの新しい施設。しばらくの間,仮設だった「まほろば露天の湯」から数百メートル離れた那珂川の河川敷近くに作られた。「あじさいホール」「すこやか共生館」「ふるさとロッジ」などの文化活動施設群のひとつとなっている。

 今日は,三連休の中日。途中,紅葉狩りの車の渋滞にはまってしまって,ひどい目にあったが,裏道を抜けながらなんとかたどり着いた。前の「まほろば露天の湯」とは,比べものにならないステキなモダンな施設である。ウーム。
 入口に張り紙があって,残念ながら,中は撮影禁止。ケチ!せっかく,このボクが(読者の皆さんのために)女体の神秘でも撮ってやろうと思っていたのに〜(ウソ)
 中に入って,ロッカーに靴を入れて,発券機で入場券を買う仕組みのようだ。たまたま,発券機が壊れていたけど。受付で一人500円を払うと,ポイントカード兼の入館証をくれた。10回くると,1回無料になるんですって。さて,ここに10回もくるだけの価値があるだろうか,楽しみである。

 階段を上って,二階の左側が男女別の浴室だ。仮設の「まほろば露天の湯」がよかっただけに,期待が膨らむ。混んでいると思っていたら,中は意外にもそうでもない。これは,このあたりが温泉地である(周りに日帰り出来る温泉はいっぱいあるのだ)という土地柄であろう。さて・・・まずは,頭を二回も洗っちゃう。これで,今夜のシャンプー代が浮いた。そして,内湯にチャポン。ウーン。やっぱりね。
 循環湯だ。確かに浴室入口の張り紙に,毎日湯を入れ替えしていますとか書いてあったり,レジオネラ菌の検出結果などについて書いてあったり,かなり衛生には気を遣っている様子ではあるが,やっぱり循環湯である。
 次に露天に出た。オジサンが5人くらい。みんな,見事に丸いハラをしている。ボクのオナカなんか,あれに比べたら,ヘコんでいる方であると言えよう。チョッピリ自信がついちゃうゾ。さて・・・泉質は?っと。内湯より,少しマシかなぁ。一応,露天のハジッコの岩のトコロから,源泉が,少し出ているようである。でも,少しダケなのだ。シズクが,チョッピリとね。
 浴室の前の廊下に,足揉み機があったので,彼女が試してみた。5分で100円だが,非常にいいとのこと。

 帰り際に,遙かに「まほろば露天の湯」の跡地が見えた。やはり,こんな綺麗な温泉施設になっちゃうと,どうしても,こうなっちゃう ものなのだ。残念なことだが...(02.10.13)


那珂川温泉旅館 栃木県小川町上河原1679-2 0287-96-4353 旅館(日帰可)  
アルカリ性単純泉,28.9度 内1(混浴) 8:30(冬は9:00)〜17:00 500円
 ここは,前々から気になっていたところ。小川町から湯津上村へ向かう狭い国道の途中に,古い錆びきった看板がある...
 ネットで検索すると,一様に「古い」「鄙びた」という表現の他に,泉質について激賞している。ネット上でも,あまりヒット数がないので,知られざる秘湯?のひとつだと言ってもいいだろう。

那珂川温泉旅館

入口は,ココじゃった

 その看板に従って右折し,狭い古ぼけたような小道をしばし下る。そして,だだっ広いタンボへ。タンボのその先──那珂川の堤防の土手の下にくっつくようにして,ポツーンと黒っぽく建つ一軒の古びた民家のような建物があった。
 ここが,那珂川温泉旅館だ。なんだか,ボクタチは,近づくにつれて,ひどく不安になって来ちゃった。旅館の前の狭い駐車場の入口に二匹のイヌがいて,ボクタチを「ウォンウォン!ガルル〜ガウガウ!」と,牙を剥き出して大歓迎してくれた。
 この駐車場には,もしかしたら車を10台くらい停められるかも知れないが,廃車(2台)とか,ガラクタゴミ?とかが,ワサワサ置いてあって,5台くらいしか,停められない。建物自体は──右の写真のとおりだが,まあ,かなりの歴史を感じさせる(創業40年らしい)とだけ書いておきましょう。
 釣り客が主体らしくて,旅館の壁には,「おとり有ります」とか「入漁権取扱所」とか書いてある。入口をキョロキョロ探してしまったが,正面を左手に回ると,何の表示もない普通の玄関があるだけ。どうみても,民家の入口だ。ここかなぁ・・・他にゃなさそうだしね。ここを開けると,きっと,こぎれいなフロントがあるに違いない。ヤケになったボクは,玄関をガラガラを開けた。

玄関の中は

正面突当たり左

 「こんつぁー」・・・やっぱり,フロントなんかナイゾ。
 なんだか,薄暗いし,あったのは,階段とガラクタだけである。
 「こんちゃー」・・・ちょうど,奥の廊下から,宿泊客らしき老夫婦がやってきて,左手のガラガラ扉をガラガラ開けて,「お客さんだよ〜」と呼びかけてくれて,階段をトコトコ上っていった(感謝感謝。ここは2階が客室になっているらしい)。ボクタチが,泊まり客がいること自体に驚いていると,気の良さそうな女将がノソノソ出てきた。
 「ボクタチ,日帰入浴したいんですが」
 「アラ。ちょうど今,女の人が入ってるの。少し向こうで休んでいてくださいね。女性だったら,いっしょに入ってもいいんでしょうけど」
 あまり迷惑をかけてもイケナイと思ったボクは,騎士道精神を発揮して,「いえいえ。お気になさらず。ボク,女性にハダカを見られても,そんなに気にしませんから」と言いたいところであったが,とりあえず,女将の言葉に甘えることにした。

 ボクタチがキョロキョロしていると,女将がボクタチを休憩室に案内してくれた。休憩室は,正面突き当たって,廊下を左。一番奥の左側の障子を開けたところにある。その向かい側が,浴室のようだ。

休憩室。バアチャン達がオシッコに出た時に

 8畳くらいの畳の休憩室には,真ん中にコタツがあって,オバアサンが二人いた。天井からはハエトリ紙がぶら下がっていて,多量の虫がいっぱいくっついている。うむむ...
 「コタツに入んな。暖かいよ」オバアサンは,ボクタチにお茶を入れてくれた。うわ〜。ありがとうございます。しかも,持参のオシンコをボクタチに勧めてくれた。白菜のと,なんだかよく分からない漬け物である。
 「今,女の人がひとりで入ってるのよ」
 オバアサンの一人は,なんと,95歳だそうである。ずいぶん,しっかりしていて,肌のツヤもいい。たぶん,ここに毎日来て,温泉に入ったり休んだりしてるのかなぁ?
 テレビを見たり,オバアサンの話を聞いていたりしていると,15分ほどで,先客の女の人が戻ってきた。一人で入りに来た様子である。たぶん,近所の人なのだろう。「ちょっとぬるかったわ」
 もうひとりのオバアサンが,「女将に熱くするように言ってきてあげるわ。入ってらっしゃい・・・」

脱衣所の手前は面白スポット

「家族入浴中」の札

超狭〜い脱衣所じゃ

長ひょろい浴槽だね

 脱衣所の手前には,洗面所と古いマッサージ椅子などが,ゴタゴタと置いてあった。なかなか味わいのある空間である。航空写真(ホントに川っぺりにポツンとあるんだなぁや,温泉成分表もあって,これには「単純温泉」と書いてある。奥の扉に,「家族入浴中」という札があり,これを下げて入ると,他のイヤラシイ異性の客は入って来ないという仕組みになっているようだ。ボクみたいな恥ずかしがり屋には,助かるなぁ。

 さっそく,扉を開けて脱衣所へ。せっ狭い。ロッカーの棚は12個もあるが,二人着替えるので限界だろう。

 そこで,二人でゴソゴソを服を脱いで,浴室へ。細長い湯船である。でも,6人くらいは横並びに入れそうだ。
 ドレドレ?噂の泉質はどうかな。チャポン!
 いい!これは,誠に良質の温泉だ。アルカリ性単純泉だから,無色透明だが,そこらの単純泉とツルツル感が全然違う。泉温が低いため,ボイラーで湧かしているが,かなり濃い温泉だ。

 湯の表面には,白いモノが浮いており,ボクはテッキリ,湯の花だと思ったが,より知恵のある彼女は,アカ(バアチャンのヒフ)に違いないと言う。バアチャンは,新陳代謝が低いから,さっき出た女の人のかも知れん。結局,これに関しては,結論出ず。

 休憩室のオバアサンに別れをつげ(「もう帰っちゃうの?なんか頼んで食べるもの作ってもらったら?」とバアチャンは言っていた),玄関のところで,女将さんに入浴料を払って外に出た。
 外は寒いはずなのに,いつまでも,身体はポカポカしている。泉質に関しては,今まででも屈指の良さだろう。あの95歳のバアチャンが20代の肌のハリ(って大げさ)を保っている理由はこれだったのだ。これに比べたら,近くに最近出来た日帰温泉施設「まほろばの湯 湯親館」なんて,プールの水に等しい。
 こういう古い温泉旅館にこそに,温泉巡りの醍醐味というものがある。(02.12.1)