第一夜 古き良き『みけねこネオウルトラモンスターゴージャス号改』のこと

 メインマシン『みけねこネオウルトラモンスターゴージャス号改』を組み立て終えたのは、忘れもしない(本当は忘れてたけど)、2008年1月末であった。いや、あの時は組立済セットを買ったから、組み立てたとは云えませんね。
 当時としては、intel初のクアッドコアCPU:Core 2 Quad Q6600を擁する最強──は言い過ぎだが、最強から毛が十三本抜けたくらいの、誰もがうらやむ(ほぼ)最強スペックマシンだった。

 あれから五年が立ちました。月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。もちろんその間、ハードディスクのSSD化を図ったり、メモリの増設、外付ブルーレイドライブ追加、VISTAからWindows7にアップグレードなどしたものの、五年の歳月は残酷であった。今や、『みけねこネオウルトラモンスターゴージャス号改』は、誰もが哀れむ最弱スペックマシンと成り果ててしまったのであった。いと哀れ。

購入当時2008.1.19の状況(赤字は後に追加) eX.computer AeroStream Quad / QB30J-7410K    
キャンペーン 【2008/1/19ご注文分まで】 eX.computer 新春初売りセール対象 通常価格より10000円引き これだよ。これで衝動的にポチしちゃったんだ。2008年1月19日午前3時にね。
CPU 【クアッドコアCPU】 Intel Core 2 Quad Q6600 (8MB キャッシュ / 2.4GHz / 1066MHz FSB / G-0ステッピング) あこがれのクアッドコア。これでアヒルも喜ぶであろう。
オプションCPUクーラー 【推奨】 Zalman製 ヒートパイプ構造CPUファン (CNPS-8000T / 騒音レベル18〜30 dB(A) 可変式 / 92mm静音ファン搭載) リテールクーラーより変更。+5,500円。別に買ってつけた方が安かったかな?

※後に冷え冷え病に罹ったみけねこは、巨大CPUファン「ANDY SAMURAI MASTER SCASM-1000」3,890円を買って、付け替える。

マザーボード Intel P35 Express チップセット ATXマザーボード (MSI製 P35NEO-F) 12,000円くらいの格安マザーなのがどうにも気になる...
メモリ PC6400 DDR-2 SDRAM 2048MB (1024MB x2枚 / CENTURY MICRO製 / メジャーチップ) メジャーチップとは、電気屋の広告の「一流メーカー製」の表示に等しい。

※後に「トライセンドJM2GDDR2-8K(1GX2枚組)」3,980円を増設し、4Gとする。

追加ビデオカード 【ファンレス】 nVIDIA GeForce 8500GT / 256MB (PCI-Express / DVI端子付 / 静音設計) 標準のnVIDIA GeForce 8600GTS / 256MB (PCI-Express / DualDVI/TV出力 / HDCP対応)より変更。-11,000円。ファンレスというのが気に入ったし、ゲームをやらなきゃ充分だ。
ハードディスク 【推奨】 500GB (SerialATAII / 7200rpm / 16MBキャッシュ搭載) メーカーがどこなのかとても気になる。サムスンかな?

※256MのSSDドライブ「Crucial RealSSD m4 CT256M4SSD2」22,353円を購入し、Cドライブにする。元のはDドライブに降格。

パーティション分割 パーティション分割なし 分割するだけで+3,000円ですって。自分でやるわい!
光学ドライブ 【白ベゼル】 DL対応 DVD SuperMulti (Plextor製 PX-800A / ソフト付) 持ってるので、これが削れれば良かったのだが、削れんのだ。

※後に外付USB2.0対応ポータブルブルーレイレコーダー「バッファローBRXL-PC6VU2」6,124円を購入する。

PCケース AeroStream ATXケース (オフホワイト / EX2/571/057R / 静音FAN・防塵フィルター搭載 / W 200×H 440×D 480mm) デザインは今ひとつ。白と黒から選べるのだが、流用するつもりのFDともう一台のDVDが白なので。
電源ユニット Topower製 TAO-480MPVR (定格出力480W、Max 570W / 静音設計 / チタンコーティング / BLK) 静音とは名ばかりの噂もあるが、どうかな。
OS Microsoft Windows Vista Home Premium (DVD-ROMパッケージ / 32bit / DSP版) とりあえずW2Kを使うのでいらんと削ろうとしたら、7,618円しか減らない。この値段なら・・・安いんじゃない?よっしゃ、いよいよVISTA使いになりましょう。

※後に「Windows7アップグレード版」7,777円を買って、32bit版で再インストール。

 118,119円+消費税5,906円=124,025円(送料無料)+44,124円

 そう。きっかけは、昨年夏のパラオ旅行(みけねこパラオ隊)で撮った動画のブルーレイディスク化大失敗事件である。

 ムービーデジカメで撮った約26GのMP4動画のエンコードを、上記みけねこクアッドマシンが息も絶え絶え、一晩がかりで変換したものの、この目的のために買ったポータブルブルーレイレコーダーでダビング出来ない。(ついでにエンコード中、二回もコケてその度に最初からやり直して、三度目の正直で奇跡的に完成という有様。)
 お値段の安いレコーダーが悪いのか、ドライバがおかしいのか、焼きソフトがいい加減なのか、やっぱりクアッドマシンが非力なのか・・・それとも全部だったのだろうか。

第二夜 半年後

 それから熟慮し熟考を重ね、約半年が過ぎた。なぜなら、急がば回るものだし、慌てる乞食はもらいが少ないものだから──が、その間。円安はさらに進行し、パーツは値上げしていった。クソッ!もはや値下げは期待出来ぬわっ。これからの座右の銘は、早起きは三文の得にする。それに4月から消費税も上がりますしね...

 予算の関係で、替えるべきパーツは最小限とする。つまり、CPU、マザーボード、メモリの御三家いや、三点セットである。目標予算は3万円也(のつもりだった)。

CPU

 Intel Core i7-4770S
    (32,800円)
最初は二世代くらい前のi7で安くあげようと思っていたが、やはり我慢がならなくなった。知らぬ間にCPUはGPU内蔵となっており、(とりあえず)ビデオカードを買わないとなると、グラフィック性能があがった最新第四世代がいいでしょう。前みたいにオーバークロックはしないし、古い電源ユニットにいささか不安があったため、省電力CPUがいいかな。しっかし・・・高い。こんな高いCPUは20世紀末に買ったAMD K6-III以来なのだ。

第四世代Haswellマイクロアーキテクチャで、ソケットはLGA 1150。i7-4770の省電力バージョン。
参考:インテルCPU性能比較表(ドスパラ)

マザーボード

 ASIS H87-PRO
    (10,480円)

メーカーは安心のASISに決まり(それかGIGABYTE)。今までの経験からマザーボード選択は安全第一なのである。はじめは、エントリーモデルで安いH87-PLUSで十分のつもりだったが、そちらはなぜかGPUの内蔵エンコード支援機能のQSV(これはどうしても必須である)の記述がなかったので、確実にあるこちらに。(でも、後から思うと、PLUSでないワケないよね)
ちなみに、新しいC2ステッピング版だった。

LGA 1150対応H87チップマザーの鉄版。

メモリ

 CFD W3U1600HQ-4G
     (8,400円)

規格は、いつの間にかDDR2からDDR3に変わっていた。オレサマの了解もなしに・・・。有名どころ(つまり高い)過ぎず、ノーブランド(相性あやしい)過ぎず。中庸をモットーに選んだ。それにこれ、口コミの評判もよかったですので。Windowsも32bitから64bitに移行のつもりなので、容量は二枚で8Gにて。
それにつけても、円安で最も値上げの著しいのがメモリだ。同じモンが一年前には半額だったはず。泣ける〜。ついでに云えば、CPUもマザーも発売当初の値段とさほど変わらんし。昔は発売後半年も過りゃ8割9割引、いや十割引もあたりまえだったのに〜

DDR3-1600(PC3-12800)  4GX2枚

 足し上げは苦手なので、合計はよく分からないが、少し予算オーバーしちゃったかも。

第三夜 組み立て開始

 注文して二日後にパーツ到着!いよいよ、組立開始だ。なにせ五年ぶりなので、ちょっと自信ない。手が震えるゥ〜

1.マザーボードにCPUを載せ、リテールのCPUクーラーを取り付ける。思ったより簡単。マザー付属の日本語マニュアルを見ながらやれば難しいことはありません。リテールのCPUクーラーは、前使ってた巨大なサムライマスター(扇風機のようだ)と比べて、実に小さい。クーラーの底には最初からグリースも塗ってあって親切。

2.鼻歌をフンフン歌いながら、メモリを取り付ける。

3.ゴージャス号のケースを開ける。ゲホッゲホッゲホ!すげー埃だ。ケースを開けるのも二年ぶりくらいかも。電源やフロントからのケーブルを慎重に外して、マザーを取り出す。
 しまった!新マザーにFDD用のスロットがないってのは分かっていたが、既にIDEスロットさえ廃止された時代となってたのね・・・うちのDVDドライブ、実はIDEだったんだ。仕方なく、DVDドライブも外す。まだ一線級の性能だったら、これはまだまだ使うつもりだったんだけど。

4.ケースにバックパネルを取り付け、マザーボードをねじ付けし、各種ケーブルを接続。
・ATX電源コネクターの24ピンはいいが、新マザーの8ピンのEP12Vに対して、古い電源から来てるいるのは4ピン12Vコネクター。マニュアルでは大丈夫(最小構成で推奨ではない)だと書いてあったので、下(左)4穴だけに差し込む。
・CPUファン及びケースファン。
・SSD(又はHDD)にSATAコネクターと電源。
・フロントパネルUSB2.0コネクター(10-1ピン)。
・フロントパネルオーディオコネクター(10-1ピン)。
・システムパネルコネクター(20-8ピン)。ここが細かくて、一番めんどくさいかも。+と−が分かりづらい。

5.キーボード、マウス(USBワイアレスでどうかと思ったが、大丈夫だった)、そしてコンセントをつなげて、最小構成で通電テストじゃ。では、ポチっとな!
 スタンバイ電源LED点灯。いいねいいね。CPUファンが回り出して、一瞬止まって、また元気よく回り出す。これはそういう仕様らしい。ケースファン×2もグルグルと勢い良し。ウンウン結構。コッコッコッコ、コケッコー。今夜の晩ご飯はお祝いにイシイの卵に便利だ。──いやまて!ディスプレイが待てども待てども真っ黒じゃないか。これは内蔵GPUがONになってないか、ドライバのIRQがコンフリクトしているか、いやまだドライバは入れてないし・・・と考えていたら、ディスプレイケーブルをつなげるのを忘れてただけだった。愚かじゃ。

 なお、SSDの中身は前のままなので、Windowsは起動せず(もしかしてとは思ってしばらく待ったが、さすがにマザーまで替えると無理のようですな)。一応、再起動し、DELキーでBIOS起動まで確認し、組み立て完了す。

 今回、FDDを外したことにより、一番最初の自作マシン以来使い続けたパーツがついに無くなった。

第四夜 『みけねこネオウルトラモンスターゴージャス号改MK-II』完成す!

 次は、Windows7 64bitのインストールである。今までは互換性を考慮して32bitだったが、あんまり気にする必要なかったかも。
 USBにポータブルDVDドライブを繋げて、Windows7 アップグレード版のインストールディスクを入れて電源オン。新規(カスタム)インストール=クリーンインストールを行う。

 USBの光学ドライブからWindowsディスクが読み込めるか、また元々のゴージャス号は、VISTAからWindows7 32bitにアップデートしていたため、直接Windows7アップグレード版からいけるのか(アップグレード版はWindowsが既にインストールされていることが要件なので、空のHDDからはいけないのは前提)との一抹の不安があったのだが、なんのことはない。ほんの30分ほどでインストール完了。ウソみたい。昔は確か数時間かかったもんですがねぇ。ちなみに、ライセンス認証もインターネットからまったく問題なし。

 それからマザーボード付属のドライバCDをインストールし、インターネットに接続し、Windowsアップデートを延々と行い、いろいろもろもろインストールし・・・次の日。
 ふと、Cドライブのプロパティを見ると、256G中、200G強使用中。しかも確認する度、ギガ単位で見る見る増えていく。ウソ!アプリケーションは可能な限りDドライブ(HDD)にインストールしていたはず。いったい何が増えてるんだ?ページングファイルか、インデックスか。それともウィルスでも踏んだのか。\ユーザの不可視ファイルがどうも怪しい・・・復元ポイントか、いや。度が過ぎている。それともIEの一時ファイルがぶっ壊れたのか。──そして、Cドライブは満タンとなった。アッサリと。エラーのダイアログボックスが何回も開き、動作がクソ遅くなった。

 結局、原因究明よりも先に気持ちが悪い。また最初からクリーンインストールし直して、環境再構築。一通り終わった時点でCドライブ(現在空き197G)のバックアップを取った。一日分無駄にしちゃった。ぼくはもう疲れたよ。パトラッシュ・・・。

 ネーミングは、いろいろ考えた結果、最後のところに格好良く「MK-II」をつけることにした。何故かだんだん長くなってくる。一番最初の自作マシンは「みけねこ号」だったんだよな。確か。

みけねこウルトラモンスターゴージャス号改MK-II   
CPU IntelCore i7-4770S (4コア/8スレッド/3.1GHz /L3 8MBキャッシュ/65W) 2013.6発売 i7-4770(84W)の省電力バージョン。Core 2 Quad Q6600は105Wだった。
CPUクーラー リテール(CPU付属) 定格運用なら十二分。冬の暖かい部屋だとアイドルで26度くらい。
マザーボード ASIS H87-PRO LGA 1150対応H87チップ
メモリ CFD W3U1600HQ-4G(2枚組 計8G) DDR3-1600(PC3-12800) OSを64bitにしたことで,4G超のメモリも有効となったので、8Gに。
ビデオカード CPU内蔵のGPU 3Dゲームをやらないので。普段の使い方ならモンスタービデオカードを取り付けたとて、差は分からないでしょうな。
ハードディスク Cドライブ:SSD 256GB SATAIII
 Crucial RealSSD m4 CT256M4SSD2
Dドライブ:HDD 500GB SATAII 7200rpm 16MBキャッシュ
 SEAGETE ST3500320AS
マザーを替えたことにより、SATAIIIが生きてきて、SSDも早くなったはず。
Dドライブ500GBも今となっては少ないが、アプリインストール用として。
他に、外付USB2.0の500M鈍足HDDがあるが、これはパックアップ用途としている。
光学ドライブ バッファローBRXL-PC6VU2(外付USB2.0対応) 外付ポータブルだがブルーレイ読み書き対応。しかし買っといて助かった。
PCケース AeroStream ATXケース (オフホワイト / EX2/571/057R / 静音FAN・防塵フィルター搭載 / W 200×H 440×D 480mm) ツクモのeX.computer AeroStreamの白ケース。最近の5インチ内蔵光学ドライブなど殆ど黒ベゼルだし、自作の世界では白って人気ないんですね。
電源ユニット Topower製 TAO-480MPVR (定格出力480W、Max 570W / 静音設計 / チタンコーティング / BLK) 五年以上がんばっているが、次に壊れるとすれば、これだと思う。
Haswellでは、スリープ用に0.05A対応電源が必要だが、これは対応してない。BIOSでC6/C7ステートを無効にすればいいらしいが、そもそもスリープは使いませんので。
OS Microsoft Windows7 64bit(アップグレード版) 世の中には、Windows8.1とかあるらしいゾ。

 そうそう。最後に使用感を軽くレビューしとかなくちゃ。

・起動終了ともに爆速。ちなみにシャットダウンメニューの休止状態は使わない(シャットダウンだけでいい)ため、Cドライブで(ページングファイルと並んで)巨大サイズであるhiberfil.sysは作らないように設定した。
・その他もちろん全般スムーズ動作。インターネット閲覧も、読み込み途中でのスクロールの引っかかりが減った感じ。
・オーサリングソフトTMPGEnc Authoring Works5で、Intel Quick Sync Video(QSV)によるエンコード所要時間実験として、先の26GのMP4をBDMVのブルーレイ形式に変換してみた。
 QSV無効・・・4時間 QSV有効・・・1時間
 無効でのソフトウェアエンコードでも、一晩かかっていた前のマシンよりかなり早いが、QSVでの4時間→1時間はもはや別次元の感である。

 Windowsエクスペリエンスは、右上のとおり...グラフィックス系が低いのはCPU内蔵GPU Intel HD Graphics 4600のためだが、それでも「みけねこ〜改」のnVIDIA GeForce 8500Gよりも上じゃ。

 次は、たぶん五年後かな。その頃、またお会いしましょう。


みけねこネオウルトラゴ〜ジャス号改の巻 2008年1月19日(土)
パソコン組立記 リローデッド(AMD Athlon XP 2500+&ASUSTeK A7V600) 2003年11月18日(火)
涙のパソコン組立記(AMD Athlon 1.4&ECS K7S5A) 2001年9月8日(土)


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